・海藻から海苔ができるまで
海苔は言わずと知れた「食材」ですが、普段何気なく食べているこの海苔がどんな風に出来るか、ご存知ですか?漠然と「海藻から出来ている」「干して作る」というイメージがあっても、海苔がどんな風に生まれて、どんな風に収穫されて加工されるのか、その様子や作り方について、しっかりと分かっている人は少ないのではないでしょうか。海苔ができるまでに辿る工程を追ってみましょう。
・海苔づくりは4月の海から始まる
「海の藻」という名前の通り、海藻は基本的に、海中で光合成をして育つ藻です。時期が訪れると、海中に胞子を出して繁殖します。
海苔の胞子である果胞子が放出されるのは4月頃です。目に見えないくらい小さい果胞子がたくさんの牡蠣の殻に付き、そのまま4月~10月頃まで牡蠣の殻を安置した水槽の中で培養されます。
10月になると、水温が25℃よりも低くなる大潮のタイミングが訪れます。この時、培養された牡蠣殻は養殖用の網に付けられて、いよいよ「海苔」としての養殖が始まります。
海苔の養殖場としての海には沢山の支柱が立てられており、養殖網はその支柱の間に括りつけられ、海面を覆うように広げられます。牡蠣殻に付いている海苔の種から出される胞子、殻胞子が網に付くことで、海苔の根・芽が網に張り付き、育ち始めるのです。
網はずっと海中に入れておくわけではなく、時折水面から網を上げて、太陽と風に直接当たるようにします。これを「干出(かんしゅつ)」と言います。太陽の光を直接浴びさせて光合成を促進し、海苔以外の海藻を除去するのです。一般的に水中で育つ海藻は乾燥に弱いのですが、海苔は乾燥に強い海藻なので、こうした対処法が可能です。
・海苔の加工は11月から始まる
11月に入り、網の海苔芽が20cm前後に育ったら、いよいよ摘み取りです。この「秋芽網」は3~4回に分けて収穫されます。お茶の摘み取りと同じように、一番最初に摘んだものが「1番海苔」となり、1週間後に2番海苔、そして3番海苔と続いていきます。市場の一般的な海苔は3番、4番海苔です。1番海苔は柔らかで風味も高く、高級な海苔となります。
摘み取られたばかりの生海苔はよく水洗いをして汚れを落とし、その後細かく刻みます。洗う際には1mm、続いて0.1mm規格の異物除去機にかけ、海苔以外の付着物、異物や砂などを取り除きます。よく刻む理由は、くちどけの良い海苔にするためです。
その後、海苔を水と混ぜて、濃度・厚さが一定になるように調整し、四角い板状にすいて成型します。そして、3時間ほど大型の海苔乾燥機にかければ、私たちのよく知る乾海苔になります。
作られた乾海苔は、品質チェックをして等級を定めた後、海苔の共販センターなどに出荷されます。海苔問屋メーカーや海苔加工商品メーカーによって競り落とされ、出荷前に焼き入れや火入れ、味付け加工が行われて、パッケージされた商品として私たちの元に届きます。海苔ができるまでには、こうして様々な人の手を渡っているのです。
