準備と養殖
食卓に並ぶ海苔ができるまでの流れは、まず養殖の準備から始まります。現在流通している海苔はほぼ養殖で、手間暇かけて生産、収穫されています。ノリの養殖では牡蠣殻に種付けを行うことからスタートです。海苔の芽となる胞子を牡蠣殻に植え付け培養、これを行うのが3~9月の期間です。種付けをした牡蠣殻はビニールを被せて網に括り付けて海に沈めます。途中で芽がしっかりついたことを確認出来たらビニール袋を剥がし、本格的に養殖の開始です。海苔の種付けをした網は一枚ずつ海である培養場に広げるため、かなりの面積が必要です。海苔が充分に育つまで網は培養場で放置されますが、途中で何度か網を海面に上げ海苔を干す作業を行います。これは太陽光を浴びることでアミノ酸を含んだ甘みのある柔らかな海苔へと育てることが目的です。また海苔は乾燥に強いことから、日干しすることでその他の海藻を死滅させることも目的としています。海苔と共に網で様々な海藻が育ってしまうと収穫や加工の際に取り除く手間がかかるため、網に海苔だけが残り育つための作業でもあります。
収穫と加工
海苔が十分に育ったら収穫を行います。海苔の芽が20cmほどに育ったのを目安に網を引き揚げていきます。昔はこの収穫も手作業の重労働でしたが、現在は船に機械を積んで摘み取り作業が行われるので大幅に楽になりました。摘んだ海苔はそのまま工場へと運ばれ、他の海藻やゴミなどを除去、細かく刻んで一枚分ずつの量に分けられすいていきます。乾燥機を使い温風を当てて完全に乾燥したら乾海苔の完成です。生海苔の場合はすきや乾燥の工程は省き、そのまま瓶詰されます。乾燥した海苔は100束1枚にまとめられ検査場に持ち込まれます。熟練の目利き検査員によって品質を格付けされたのち、販売所に出荷されていきます。販売所では問屋が集まり入札会が開かれ、競争入札によって買い付けが行われます。
海苔の豆知識
同じ培養場で同じように生産された海苔でも、何期目に摘まれたものかで味や風味には大きな違いが出てきます。海苔は1期作から3期作まで長い期間をかけて養殖、収穫されるのが当たり前で、1番柔らかく風味があるのが1期目に収穫された海苔です。この海苔は1番海苔とされ、格付けにおいても等級はかなり上です。一般的に出回っている乾海苔は3期作以降の者が多いため、より美味しい海苔を求めるのであれば1期作で収穫された1番海苔の生海苔を買い求めるのがおすすめです。また海苔は天候によって生育が大きく左右されることから、種付けをして芽が付いた網は一部2期作、3期作のために冷凍保存されます。冷凍保存した海苔は培養場に戻せば問題なく養殖できるため、こうして一部の網を一旦保管しておくことで、万が一1期目の網が全滅してしまった場合にも養殖を再スタートできるという仕組みです。美味しい海苔ができるまでには、安定した供給が行えるよう、様々な工夫が行われています。
