有明海の美味しい海苔ができるまで~培養から加工まで

海苔ができるまでの成長過程
海苔ができるまでには、糸状体の培養から、採苗、育苗、網展開、そして摘採、加工の工程があります。

糸状体の培養では、海水に浸された状態の牡蠣の殻に、海苔の糸状体を散布します。牡蠣の殻を入れる水槽の温度は、海水の温度に合わせて調整します。糸状体は、成長すると真っ黒になり、牡蠣の殻を覆います。

水温が低下すると、殻胞子嚢が作られて、そこから殻胞子が出てきます。この殻胞子を網につける作業が「採苗」です。採苗には、海上採苗と陸上採苗があります。陸上採苗のほうが確実に採苗ができますが、大掛かりな設備が必要なので、組合単位などで行うことが多いです。

採苗を終えてからは、育苗の段階に入ります。美味しい海苔ができるまでには、採苗期と育苗期の管理がとても大切です。

育苗の方法には、支柱式と浮き流し式があります。有明海での海苔の養殖では支柱式で行われていますが、瀬戸内海などでは浮き流し式が採用されています。

網は重ね張りにしていますが、そこから少しずつ数を減らして、一枚網にしていく作業を「網展開」と言います。網の一部は冷凍庫で保管にされ、一期作目が終わった後の二期作で使われます。

海苔が成長したら、摘採を行います。最初に摘んだ海苔は、「秋芽初摘み」と呼ばれる最も柔らかい海苔です。一般的には、適採回数が増えるにつれて、固くなっていきます。

摘採され、陸揚げされた生海苔は、洗ってからミンチにして、海苔乾燥機で乾燥させます。海苔乾燥機は乾燥だけでなく、漉きや剥ぎも行えるようになっています。その後、焼き海苔や味付け海苔などに加工されます。

美味しい海苔を作るために重要な糸状体の培養管理
糸状体を培養する時には、きめ細やかな管理が必要とされます。色を観察していて、灰色になっていたら照度が不足している印なので、少し明るくして培養します。赤みが強い場合は、少し暗くします。色が褪せてきたら、栄養不足です。

その他にも、培養水が蒸発して減ってきたら注水を行い、40日に1回を目安に水も取り替えます。牡蠣殻の洗浄も必要です。美味しい海苔を作るために、養殖の初期の段階から、注意深く管理されています。

支柱式と浮き流し式の違い
支柱式は、浅瀬に立てた柱に、海苔網をくくりつけて育てる方法です。これは、佐賀や福岡、千葉の一部など、遠浅の海でしかできないやり方です。潮の干満によって、海苔が乾燥したり、水分を含んだりすることで、海苔が柔らかくなります。支柱式で養殖された海苔は柔らかい食感で、水分を含むと崩れやすいです。温かいご飯の上に乗せておくと溶けてしまうので、食べる直前に乗せたほうが美味しく食べられます。

浮き流し式は、海苔網に重りと浮きを付けて、いつも海水に浸っている状態で養殖する方法です。このようにして養殖された海苔は、支柱式に比べると、食感があります。水分を含んでも崩れにくいので、太巻きなどに使用されます。