海苔ができるまで~海苔の養殖法~

●牡蠣の殻の中で種から苗へと育つ海苔
おにぎりや巻き寿司、ラーメンのトッピングに使われるなど、海苔は身近な食品です。四角い板状をしている海苔ができるまでには、どのような工程が必要なのでしょうか。

海苔は養殖によって育てられます。成長した海苔を摘み取った後に形を整えて、乾燥してから出荷されます。そして、海苔の生長に欠かせないのが、牡蠣の殻なのです。

海苔の養殖は、4月頃からスタートします。第一の手順は、牡蠣の殻に海苔の種である胞子を植え付け、苗を育てる作業です。海苔は貝殻の中で育つという、めずらしい特徴があります。このため、海苔の苗を貝殻に植え付ける必要があるのです。

海苔は夏の間、牡蠣の殻の中を寝床にして成長します。苗へと成長するまでの期間、胞子を植え付けた牡蠣の貝殻を専用の水槽に入れ、温度などの環境を最適に保つなどの細かな世話をしながら、病気や栄養不足にならないように大切に育てていきます。

●苗から海苔ができるまで
秋になる9月半ば~10月になって、胞子が成長したら、海へと移動させる時期です。養殖用の網に、苗が入っている牡蠣殻を一つずつ網に取り付けていきます。苗の状態を顕微鏡で確認しながら網に取り付けていくのは、海苔作りにとって重要で難しい作業です。

牡蠣殻を取り付けた網を海一面に広げます。波の揺りかごに揺られながら、太陽の光を浴びることで、アミノ酸が豊富な、滋養豊かな海苔へと育っていくのです。しかし、この時期は夏の暑さが残っていたり、台風がやって来たりと天候が安定せず、生産者にとっては気が抜けない時期でもあります。

網に取り付けられた牡蠣殻の中で芽が育つと、海苔は牡蠣殻を抜け出して海へ流れ出て、網に付着します。網に付着した海苔が20センチ程度に成長したら、収穫のタイミングです。

有明の海苔は二期作が行われており、海苔がある程度育った時点で、一期作用と二期作用とに分けます。一期作用の網を残し、二期作用の網は海から引き上げて冷凍保存されます。

一期作用の海苔を数回収獲した後、二期作用に冷凍しておいた網を海に戻して、春頃まで収穫を繰り返します。こうして、海苔が安定して供給できるのです。

高級品として珍重されているのは、一期作の最初に摘み取った海苔です。「初摘み」と呼ばれており、磯の香りが高く、口溶けの良いのが特徴で、上品な美味しさが珍重されています。初摘み以降に収獲された海苔も、また別の味わいがあります。秋が深まり、冬場になって水温が下がると、旨みが凝縮されて濃い味わいが生まれるからです。

●収穫後は薄く漉いて乾燥させ、板状に加工
収穫された海苔は、ゴミなどを取り除いて細かく刻み、きれいに洗います。その後、和紙のように漉いて、薄い板状に形を整えます。

漉いた海苔は乾燥機でしっかりと乾かし、規格通りの大きさ・枚数にまとめて、市場へと出荷されていくのです。なお、海苔の大きさは、タテが21センチ×ヨコ19センチの全型が基本です。