海苔の栄養素とその働き
海苔の栄養素の1つは、タンパク質です。海苔の40%がタンパク質で、しかも必須アミノ酸をすべて含む、良質のタンパク質です。タンパク質は筋肉や臓器を構成する大切な栄養素で、酵素やホルモンもタンパク質で構成されています。タンパク質は人間が生きていくのに欠かせない栄養素です。
海苔は食物繊維も豊富で、全体の36%ほどを占めています。食物繊維には腸の調子を整える働きの他、血糖値の上昇を緩やかにする作用もあります。
海苔には、葉酸も含まれています。葉酸は、胎児が正常に成長するのに必要な栄養素であり、妊娠中の女性にとって欠かせない栄養素です。また、DNAの合成を促し、赤血球を作り出すという大切な働きもしているので、性別や年齢に関係なく、大事な栄養素と言えます。葉酸は、代謝を促す酵素を補う働きもしています。
海苔に含まれているビタミンB12は、神経や血液細胞の健康に欠かせないものです。DNAの生成にも必要で、巨赤芽球性貧血にならないように予防する上でも、役立つ栄養素です。海苔1枚の中には、1日に必要な4分の3の量のビタミン12が含まれています。
カルシウムにも注目です。カルシウムは骨や歯を作るのに欠かせない栄養素です。カルシウムが不足すると、骨の中のカルシウムが溶け出し、血液中のカルシウム不足を補うので、その結果、骨粗しょう症になるリスクが高まります。カルシウムをきちんと摂るのはとても大切です。海苔2枚の中には、牛乳15ccほどに相当するカルシウムが含まれています。
海苔はビタミンCも豊富な食品で、焼き海苔3枚にミカン1個分くらいのビタミンCを含んでいます。ビタミンCはコラーゲンの生成を助け、メラニンの生成を抑える働きがあり、美容にもいい成分です。
海苔のビタミンCは損なわれにくい
海苔のビタミンCは熱に強いので、加熱しても損なわれません。火で炙っても、佃煮にしても、ビタミンCを摂ることができます。炙ると、旨味もさらに増します。ただし、佃煮の場合は塩分が含まれるので、食べ過ぎに注意しましょう。塩分を50%ほどカットした佃煮もあります。
日本人は海苔を消化できる腸内細菌を持っている
腸内にある細菌の数は1000種類、数は100兆個とも言われています。腸内細菌は、食べ物を消化し、免疫力を高めるのに欠かせないものです。
日本人の腸の中には、バクテロイデス・プレビウスという腸内細菌が存在します。この腸内細菌は、ゾベリア・ガラクタニボランスという海洋微生物から、海苔を分解する遺伝子を獲得したと言われています。
ゾベリア・ガラクタニボランスは、アマノリ属の海藻に付着して、炭水化物を分解して栄養を摂っています。バクテロイデス・プレビウスは、この微生物から分解に関わる遺伝子を受け継ぎ、海苔を消化できる腸内細菌になったと考えられています。日本人は昔から生の海苔を食べているので、採った海苔の中に潜んでいた微生物が腸内に入り、海苔を消化できるようになったのでしょう。
