海苔の種類と主な産地

●販売されている海苔の種類
海苔の種類は、主に「乾海苔(ほしのり)」「焼海苔(やきのり)」「青海苔」「岩海苔」の4つに分けることができます。

「乾海苔」は黒い長方形をした板海苔で、収獲した海苔を漉いて薄い板状に成型し、乾燥させたものです。以前は板海苔と言えば、乾海苔のことを指していました。巻き寿司に使ったり、火で炙って食べたりします。

乾海苔を焼いて、パリッとさせたのが「焼海苔」です。現在では板海苔の主流となりました。おにぎりや巻き寿司を始め、蕎麦のトッピングなど、さまざまな用途に使われています。甘辛く味付けした味付け海苔も、焼き海苔の仲間です。

乾海苔や焼海苔といった板海苔には、アマノリ属の海藻が使われています。

「青海苔」は細かな粉状で、鮮やかな緑色の海苔です。お好み焼きやたこ焼きに振りかける他、七味に入れて薬味などに使われています。青のりはアオノリ属の海藻から作られており、すじ青のりやひら青のり、ぼう青のりなど、産地によって品種が異なります。

●海苔が育つのに適した環境
これらの海苔は、各地で養殖によって栽培されています。海苔の生育に適しているのは潮の干満差が大きい遠浅の海で、海水と川の水が混ざり合う場所だと言われています。潮の干満差が大きいと、潮の流れによって海水が入れ替わるので、適度な水温を保ちやすくなります。また、遠浅の海は穏やかなので、海苔が波に流されることが少なく、安定して生産できます。そして、川の水は栄養が豊富です。海水と川の水が混ざり合う場所では、旨みが詰まった美味しい海苔が育つのです。

養殖は、これらの条件を満たすエリアで行われており、次のような産地がよく知られています。北から見ていきましょう。

北は宮城県の仙台湾エリア、関東では千葉県と神奈川県の東京湾エリア、中部では愛知県と三河圏の伊勢・三河湾エリア、西日本では大阪府から兵庫県、岡山県、広島県、山口県、香川県、徳島県、愛媛県、大分県にまたがる瀬戸内海エリアになります。九州では、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県の有明海エリア、鹿児島県の出水エリアです。

農林水産省が2020年に発表したデータによると、板海苔の最も生産量が多いのが佐賀県で、国内生産量の4分の1(25.9%)を占めています。2位は兵庫県の21.1%、3位は福岡県の15.7%となっています。

青海苔の生産量では愛媛県が最も多く、全体の約50%を占めており、2位は徳島県、3位は岡山県となっています。

●天然の海苔だけにしか使えない商標「岩海苔」
「岩海苔」は、岩に付着して生育する天然の海苔です。佃煮用の海苔として知られていますが、天麩羅や味噌汁の具などの料理にも使われています。

有名なのは、ウップルイノリという品種です。島根県出雲市の十六島(うっぷるい)という地域で取れるので、この名前で呼ばれています。この他、天然のスサビノリ、マルバアマノリなどのアマノリ属の品種が、岩のりとして流通しています。

現在、景品表示法によって、岩海苔は天然の海苔だけに使う商標と決められています。養殖したものは、岩海苔という商品名で販売することができません。