●海苔の種類は主に5つ
現在流通している海苔の種類は、主に次の4つに分けることができます。
1つ目は、生海苔です。板状に加工される前の、生の状態の海苔です。また、海苔の佃煮の原料にもなります。
2つ目は、乾海苔(ほしのり)です。生海苔を和紙のように漉いて薄い板状にし、乾燥させたものです。昭和時代までは乾燥海苔が広く普及しており、食べる直前に火であぶるのが一般的でした。火であぶることによって磯の香ばしさが立ちのぼり、パリッとした歯ごたえがよみがえります。当時は現在のように梱包技術が進んでいなかったため、家庭などであぶっていたのでしょう。
2つ目は、焼き海苔です。食べる前のあぶる手間を省き、そのままでもパリッと香ばしく食べられるように、あらかじめ焼いてある海苔です。現在、広く使われている最も一般的な海苔と言えるでしょう。乾海苔のほうが磯の風味は良いのですが、手軽に食べられるため、広く普及しています。
3つ目は、味付け海苔です。甘辛く味付けされており、ごはんとの相性がピッタリです。旅館の朝食の定番としてもお馴染みです。お弁当のおにぎりに巻かれることも多く、子どもにも人気です。
4つ目は、青海苔です。こちらは板状の海苔とは違い、粉状に加工した海苔です。板状の海苔とは種類が異なる、アオサ属の海藻から作られています。お好み焼きやたこ焼きのトッピング、おはぎ、磯辺揚げなど、さまざまな料理に使われています。また、粉状に細かく加工する前の状態でも販売されており、お味噌汁などの汁物の具にしたり、衣を付けて天ぷらにしたりして食されています。
では、現在販売されている海苔は、どのような海藻から作られているのでしょうか。焼き海苔や味付け海苔などの板状の黒い海苔は、アマノリ属の海藻が使われています。アマノリ属の海藻にはたくさんの種類がありますが、その中でもよく知られているのが「アサクサノリ」と「スサビノリ」です。
●江戸時代からの有名ブランド「アサクサノリ」
アサクサノリ(浅草海苔)は、江戸時代に浅草で養殖された海苔が全国に流通し、香りの高いブランド海苔として知られるようになりました。浅草の名前が付いていますが、もともとは日本各地に自生していた海藻で、全国的に広く分布しており、昭和20年頃までは全国で養殖されていました。
乾海苔のときはやや赤みがかっていますが、あぶると鮮やかな緑色になるのも特徴です。磯の香りが高く、風味豊かな味わいがあります。仕上がりも薄く、レースのように繊細で、柔らかな口当たりが特徴です。しかし、近年は水質汚染や海岸の埋め立て・工業化などで数が減っており、絶滅危惧種とされています。
●現在の海苔の主流「スサビノリ」
スサビノリ(荒び海苔)は、現在、海苔の養殖で最も広く使われている品種です。集めの板状で、艶やかな黒い色が美しいため、海苔巻きなどに最適です。
ナラワスサビノリ(奈良輪荒び海苔)は、千葉県の奈良輪が産地です。比較的育てやすいため、こちらも養殖用として広く栽培されています。
