海藻による海苔の種類

アサクサノリとスサビノリという海苔の種類

アサクサノリは、アマノリ属の紅藻の一種です。昔は東京湾で養殖されて浅草で加工されていたので「アサクサノリ」と言いますが、今は有明海などの一部のみで養殖されています。

アサクサノリは、乾燥海苔の状態ではやや赤みを帯びているのですが、焼くときれいな緑色に変わります。味と香り共に一級品と言われ、育てるのに手間がかかります。また、病気にもかかりやすい品種のため、養殖がとても難しく、今では希少品となっています。天然のアサクサノリは絶滅危惧種に指定されているくらいです。

スサビノリもアマノリ属の紅藻の一種で、現在の海苔養殖で最も多く使われている品種です。日本国内では福島県より北の太平洋岸で自生しているのですが、養殖は福島県だけでなく、多くの地域で行われています。

スサビノリは、昔は高級品とされていましたが、戦後に養殖が盛んになってくると、ごく一般的なものになりました。アサクサノリと比較してみると、スサビノリのほうが色が黒く、光沢感があり、しっかりとした質感もあります。

スサビノリはいろんな環境下で生息できる品種です。そのため、多くの養殖場で利用されています。繁殖期も冬から春にかけてと長く、生育期間が長いので、海苔の安定供給につながっているのです。スサビノリと聞いてもあまり馴染みがないですが、実は私たちの食生活に大いに関係しています。

岩海苔の代表、ウップルイノリという海苔の種類

島根県にある十六島地区が産地であることから名付けられたウップルイノリは、岩海苔の代表的な品種です。岩海苔とは岩場に自然に生育している天然の海苔だけを指し、養殖で作られた海苔を岩海苔として販売することはできないことになっています。

岩海苔の代表であるウップルイノリで乾海苔を作ることもありますが、海苔を摘み取ったあと、延ばして板状にするため、ところどころ穴があいたような見た目になるものもあります。これはウップルイノリ独特のもので、品質が劣っているわけではありません。穴があいた板海苔が売られていることがありますが、これはウップルイノリで作られたものだと考えられます。

穴が開いた板海苔を見て不良品だと言いたくなるかもしれませんが、きちんと品質管理を行い、検品をして出荷されているものなので、安心して食べられます。

海苔の種類を気にしてみよう

品種別の海苔の種類で代表的なものは、この3つになります。アサクサノリは高級な海苔になりますが、今はもう浅草では養殖されていないこと、そして浅草とは離れた有明海のごく一部でしか養殖されていないことに驚いた人も多いでしょう。

海苔を買う時に、海苔の種類や産地までこだわる人はあまりいないかもしれません。しかし、海苔の種類を知ったこの機会に、「この海苔は結構高いけれど、もしかしてアサクサノリを使っているのだろうか」とか、「この見た目の特徴はスサビノリかな」「岩海苔はウップルイノリだったな」など、じっくり海苔の種類を見比べてみるとか、味わってみると良いかもしれません。