知らなかった!おいしい海苔ができるまで

海苔は、日本食を代表する伝統的な食べ物です。古くは縄文時代からあったと言われる海苔は、今の形になってから世界中で親しまれています。海苔の形や名前は江戸時代からで、その前は「紫菜(ヌラ)」と呼ばれ、乾燥したものではありませんでした。現在は暖かい気候での養殖がほとんどで、主な生産国は日本、韓国、中国となっています。

海苔ができるまでに約1年かかる
現在、海苔ができるまでの期間は約1年です。早ければ半年から9ヶ月で海苔の収穫ができ、二期作、三期作ができる場所もあります。

海苔を養殖するには、海苔の胞子がつく牡蠣の殻を培養しなくてはなりません。その培養に約半年かかると言われています。その時期はおよそ3月から9月頃で、収穫は12月から4月にかけて、段階的に海苔を育てた順に収穫します。

牡蠣の殻についた海苔の胞子を、海に離した時に根付くように育てます。海苔のイメージと言えばパリッとした板状の焼き海苔なので、海藻のイメージと結びつきにくいですが、藻によく似た海藻を網の上で育て、それを紙漉き(かみすき)の要領で平らにし、大型の自動乾燥機械にかけて作ります。網の上で育てられた海苔は、成長途中で冷凍され、時期をずらして収穫することもあります。

食卓に届く海苔ができるまで
すでにシートになっている袋入りの海苔になるまでには、もう一手間かかります。魚や貝類の仕入れと同じように、海苔の仕入れは漁業組合によって選定され、市場に並べられます。

ここでの海苔の姿は1枚のシートではなく、折り畳まれた黒い手拭いのような状態です。10枚1束として10束を紙の帯で括り、それを36個詰めたものが1箱です。江戸時代の頃からの習わしで、紙や薄いものを数える時の大きさの単位である「帖(いちじょう)」が使われています。10枚の海苔の大きさが1帖です。西洋紙の12枚分の大きさになっています。

漁業組合が検査し、競り落とすのは海苔加工業者や大手食品メーカーです。落札された海苔は加工されて小売店に並び、ようやく普段見ている10枚入りのシート状の海苔となって売られていきます。

海苔ができるまでに関わる人々
海苔は海の農業と呼ばれるぐらい、その工程は野菜を育てる流れによく似ています。海苔のできるまでに、海苔生産者、漁業組合、検査官、海苔の仕入れ業者やメーカー企業など、たくさんの人の手を経ています。

漁業組合が海苔の艶や色、質感などを検査し、合格したものが市場に出回ります。昔から海苔は貴重な年貢品として納められていたため、今でも高級品として取り扱われます。

仕入れ業者やメーカーが海苔を買い付けし、小売できるように加工して出荷します。

仕入れた海苔はまだ十分に乾いていないので、メーカーや仕入れ業者は用途に応じて、海苔を加工して販売します。一般的な海苔の加工なら「火入れ」と呼ばれる乾燥技術を施し、さらに水分を飛ばして、19cm×21cmの定型に整えて袋詰めします。海苔の収穫できる時期は限られていますので、買い付けた海苔は大型の冷蔵庫に入れて厳重に保管し、順々に加工していきます。海苔ができるまでには、多くの人たちの生活がかかっているのです。